· 

小麦品種「もち姫」による地消地産の挑戦

品種ナビゲーターの竹内大学さんが、国産小麦「もち姫」にまつわるルポ「なぜ人気化?『国産の小麦』が大躍進を遂げたワケ」を「東洋経済ONLINE」に寄稿されました。

その概要を以下にまとめてみました。

https://toyokeizai.net/articles/-/671834

物語は1995年に主として麺用として開発された「はつもち」から始まる。「はつもち」は、「食感が改善される」「もちもち感がでる」「日持ちが良くなる」等の特徴が確認されたが収量が少なく普及に至らなかった。

しかしこの特性に惚れ込んだのが岩手の「府金製粉」の府金社長だ。府金社長のこだわりを受けた東北農業研究センターが改良を重ね2006年に登録されたのが「もち姫」だ。

この「もち姫」の特性に着目して製パンに取り組んだのが盛岡の白石食品工業の白石社長だ。試作を続け食パンにして販売したところお客様から予想以上に好評価をいただいた。しかしその裏には多くの試行錯誤が積み重ねられた。

「『もち姫』だけでは商品にできるレベルのパンは作れません。『もち姫』以外に『銀河のちから』『ゆきちから』もあわせて3品種をブレンドすることで、ようやく地元産100%の『もち姫パン』を実現することができました」(白石さん)

「もち姫パン」の原料となる小麦栽培も盛岡で実現したいという白石さんの要望に応えて手を上げたのが、耕種農家の畠山さんだ。

「イネとリンゴの他に、1997年から小麦も作り始めたんです。でもそれは古い『ナンブコムギ』で。これがもう病気に弱く、どんなに工夫しても収量が上がらない品種でして。2016年に『もち姫』に切り替えたら、一気に量が獲れるようになったんです。

何より、栽培する前から価格と買い手が決まっていて、自分が作った小麦が地元でパンになるってわかっているんですから、『ナンブコムギ』を作っていた時と気持ちは相当違いました」

10アールあたりの収量の変化は、「ナンブコムギ」の約150㎏に対して、「もち姫」は約400㎏なのだそうだ。

こうして小麦栽培、製粉、製パンが全て岩手で揃う「もち姫パン」の地消地産連携が完成することになった。

74日に紹介した庄内の小麦「ゆきちから」を中心とした栽培(月山高原農地委員会)、製粉(玉谷製麺所)、調理(地域のレストラン)の地消地産連携とともにこれからの展開が楽しみだ。

 

なおスマート・テロワール協会主催の第22回オンライン・セミナー(10月10日開催予定)は「国産小麦を増やそう」をテーマとして企画しております。

ここでご紹介した育種ナビゲーターの竹下さんにもご登壇いただく予定です。

ご期待ください。